排出事業者から生じた産業廃棄物は、(1)収集運搬、(2)中間処理、(3)最終処分という工程を経て、環境に悪影響を与えない方法で処分されます。このうち(2)(3)の中間処理と最終処分の工程を事業として行うことを、あわせて産業廃棄物処分業と呼びます。産業廃棄物処分業を行おうとする場合、都道府県知事の許可が必要となります。
産業廃棄物は、最終処分あるいはリサイクルしやすくするために、産業廃棄物の大きさを小さくしたり(減容)、再利用できるものを取り分けたりすること(選別)が必要となります。このように、産業廃棄物に対して物理的、あるいは化学的なエネルギーを加え、産業廃棄物の状態を変化させることを中間処理といいます。
中間処理には、最終処分やリサイクルのための前処理という、重要な目的があります。中間処理をすることによって、産業廃棄物の約半分が再利用可能な資源に生まれ変わっています。
中間処理には、次のとおり、産業廃棄物の減容を主な目的とする「破砕」、「焼却」や「脱水」、産業廃棄物の無害化を行う「中和」や「溶融」、産業廃棄物をリサイクルするために分別する「選別」など、さまざまな処理方法があります。
廃棄物の中間処理を行った後の残さについては、最終処分施設で処分されます。
「最終処分」とは、産業廃棄物を適切に処理したうえで、土の中に埋め立てたり、海に投棄して、その場所で産業廃棄物を保管し続ける処理方法のことです。
最終処分の目的は、産業廃棄物を安定化させることです。安定化とは、産業廃棄物を、それ以上変化せず、周囲の環境にも影響を及ぼさない状態にすることです。具体的には、土の中で産業廃棄物の有機物が分解され、それが土にかえるような状態です。この状態になると、埋め立てられた産業廃棄物は、それ以上腐敗などの変化を起こさなくなり、安定した状態となります。
産業廃棄物の種類や性状によって、安定化するのに必要な期間は異なります。そして、「最終処分」をするためには最終処分場が必要となりますが、この最終処分場には、埋め立て処分される廃棄物の環境に与える影響の度合いによって、「安定型」「管理型」「遮断型」の3つの種類があり、それぞれ必要な処分場の構造や埋め立て可能な廃棄物に違いが出てきます。