消費税の免税事業者として節税のメリットを最大限に受けたい場合、資本金をいくらにすべきでしょうか?。
答えは、1,000万円未満です。
その理由を知るためには、消費税がどのような場合に課税されるのかを知る必要があります。
消費税が課税されるのは、次の2つの場合です。
着眼点 | 基準 | |
---|---|---|
ケース1 | 売上高 | 基準期間における課税売上高が1,000万円を超える場合 |
ケース2 | 資本金 | 法人であって、事業年度の開始日における資本金の額が1,000万円以上である場合 |
上の表のケース1の基準期間とは、会社の前々事業年度のことです。設立したばかりの会社は基準期間がありませんので、設立1期目と2期目は売上高の面で消費税が課されることはありません。
次に設立1期目と2期目の会社が消費税を課税されるとすれば、ケース2の場合ですが、これも資本金を1,000万円未満にすれば、免税事業者となり、消費税が課されることはありません。
すなわち、会社を設立した後の2事業年度(最大2年間)は、消費税の免税事業者として節税のメリットを受けられることになります。
しかし、上場を目指すなどして、資本金を1,000万円以上にしたい会社もあります。このような会社は、資本金を設立後2期目までの間でも事業年度開始日に資本金が1,000万円であれば、課税事業者となってしまいますが、どうすればいいのでしょうか?
その場合は、設立時の資本金を1,000万円未満とした上で、設立後2期目の事業年度開始日以降に1,000万円以上に増資することをおすすめします。
こうすれば、課税売上高が1,000万円を超えない限り、設立1期目2期目とも免税事業者であり続けることができるため、経営目標を守りながら、節税のメリットを最大限に享受できることになります。
また、会社の赤字・黒字にかかわらず納付しなければならない税金に法人住民税(道府県民税+市町村民税)の均等割がありますが、この均等割は、資本金によって納税額が増減します。
たとえば、従業員が50人以下の場合、資本金が1,000万円以下であれば7万円(道府県民税2万円+市町村民税5万円)ですが、
資本金が1,000万円超になると18万円(道府県民税5万円+市町村民税13万円)に上がります。
以上のことから、会社を設立する際は、資本金を1,000万円未満にすると節税のメリットを最大限受けられることになります。