事業年度はどのように決めればよいのでしょうか?
会社は、取引先に経営の実態を周知して信用を得るために、会計の区切りをつけて決算を行います。決算は、年1回でも2回でも構わないのですが、決算作業の重い負担を避けるために、ほとんどの会社が年1回としています。
また、決算期をいつにするかは自由です(例:3月末決算、9月末決算、11月末決算など)。
決算期と決算期との間の期間を事業年度といいますが、決算期をいつにするか自由であるのと同様、事業年度も自由に定めることができます。 ですので、4月1日から翌年3月31日までを最初の年度としてもよいですし、1月1日から12月31日までを 最初の年度としても構いません。6月15日から12月31日までを最初の年度とするように、1年に満たない 期間を最初の年度とすることもできます(他方、1年を超える事業年度を定めることはできません)。
現在のところ、日本国の会計年度と歩調を合わせて、3月末決算(事業年度=4月1日~翌年3月31日)を多くの企業が採用しています。これは日本が稲作文化であり、春に事業開始とする慣行が仕事のよいリズムを作り出すからとも言われています。
一方、平成23年以降、東京大学を発端として、諸外国に合わせるために、大学を秋入学に移行する議論が賑わっていますが、今後どのような事業でも国際的視野を持つべきことを考えると、9月末決算とする企業が増えてくることが予想されます。
また、事業年度を定めるにあたっては、税務申告の時期も頭に入れておかなくてはなりません。
法人の申告時期は、決算日から2か月以内と定められています。
その間に株主総会を開催し、決算に対する承認を株主から得た上で、申告の手続をする必要があります。
たとえば、会社を3月1日に設立し、事業年度を4月1日~翌3月31日とした場合、会社を設立した1か月後にはもう、決算に関する税務申告手続に取り掛かる必要があります。会社設立直後の多忙な時期に、本業以外のことに割く時間はほとんどないはずですので、勢いあるスタートを切るためにも、 会社設立日から最初の決算日までにはできるだけ1年の余裕を持たせることをお勧めします。