平成28年度は、前年に引き続き雇用情勢の改善が進み、厚生労働省の労働政策審議会職業案内分科会は、雇用保険料率をさらに引き下げても安定的な財政運営が図れると判断しました。
その結果、平成29年度は、失業等給付にかかる保険料率の本則が1.2%から1.0%に引き下げられたうえ、弾力条項によって、従来の0.8%から0.6%まで引き下げられる予定です。
これにより平成29年4月1日から平成30年3月31日までの雇用保険料率は、従業員負担分が0.3%、他方、会社負担分が0.6%(失業等給付の保険料率0.3%+雇用保険二事業の保険料率の保険料率0.3%)となります。
上記の内容を反映した、平成29年度の雇用保険料率を表にまとめると、次のとおりとなります。
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①従業員負担分 |
②会社負担分 |
|
|
①+② |
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失業等給付の |
雇用保険二事業 |
||||
一般の事業 |
0.3% |
0.6% |
0.3% |
0.3% |
0.9% |
農林水産・ |
0.4% |
0.7% |
0.4% |
0.3% |
1.1% |
建設の事業 |
0.4% |
0.8% |
0.4% |
0.4% |
1.2% |
上記の内容に従い、平成29年4月支給分の給料から、雇用保険料率が下がることになりますので、給与計算の際にはご注意ください。
具体的な計算上、雇用保険料(失業等給付の保険料のみ)は、会社と従業員とで折半します。
したがって、保険料率が0.2%下がれば、従業員はその半分の0.1%だけ負担が軽くなります。
例えば、年収450万円の方であれば、年間4,500円の負担減となる計算です。