最低賃金とは?
最低賃金は、法律によって決められた金額以上の賃金(時間額)を従業員に支払うことを義務づけた制度です。
従業員の労働条件の改善や生活の安定のほか、労働力の質の向上や事業の公正な競争を通じて、経済が健全に発展することを目的としています。
毎年この時期になると、地方最低賃金審議会の答申によって、都道府県ごとの最低賃金が改定されます。
今回は、最低賃金(時間額)が従来の888円から907円に増加し(東京都の場合)、平成27年10月1日から適用されます。この907円という金額は、最低賃金が714円であった2005年に比べますと、十年で200円近くも増加しているわけですから、隔世の感がありますね。
このように最低賃金が改定されますと、会社は、パート、アルバイト、臨時、嘱託等の雇用形態や呼称に関係なく、従業員に対して最低賃金以上の賃金を支払わなければならなくなります。
もし、これに違反して最低賃金を下回る賃金しか支払わない場合、会社に、50万円以下の罰金が課せられるおそれがあります。
そのため、雇用形態や給与体系は会社によって様々ですが、本当に最低賃金以上を支払っているか仕組みを間違いなく理解することが大切です。
そこで、今回は、その理解を確実にするために、⑴最低賃金額を上回っているかのチェック方法と、⑵最低賃金の対象とならない賃金を掲載しますので、御社の支払っている賃金がこの最低賃金の制度に違反していないか、もう一度点検してみるとよろしいでしょう。
時間給の場合
時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)
日給の場合
日給 ÷ 1日の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
月給の場合
月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
上記1.2.3.の組み合わせの場合
(例)基本給が日給で、諸手当(役職手当など)が月給の場合は、
基本給(日給)→2.の計算で時間額を出す。
諸手当(月給)→3.の計算で時間額を出す。
ⅰ.とⅱ.を合計した額 ≧ 最低賃金額(時間額)
最低賃金の対象になるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。次の賃金は対象から除いて最低賃金と比較します。
臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
精皆勤手当、通勤手当および家族手当
いかがでしょうか。最低賃金はクリアーできていましたか?
計算に自信がないという方でも、当事務所は最低賃金のコンプライアンスチェックもお手伝いしておりますので、まずはお電話またはメールフォームでお問い合わせください。