企業内人材育成推進助成金は、業種や企業規模にかかわらず、継続して人材育成に取り組む会社に、平均して50万円〜100万円が支給される助成金です(本稿では、便宜上、教育訓練・職業能力評価制度の導入・適用のケースを中心に説明しております)。
具体的には、教育訓練制度や職業能力評価制度を導入すると50万円、さらに実際に実施すると5万円×人数分(最大10名まで)が助成金として支給されます。
助成金を受け取りながら従業員の能力の向上を図るために、是非とも活用したい助成金です。
①会社が、自社の仕事を行うためにはどのような能力が必要かを体系的に整理した職業能力体系図を作成します。
次に、②その能力を得るために必要な訓練計画を労働局に提出して認定を受けた後、従業員に教育訓練を受講させます。
最後に、③これらによって従業員が得た能力をジョブカードによって評価します。
ジョブカードを利用してこなかった企業にとっては、これを導入するハードルはありますが、それを除けば、自社の業績を上げるために従業員に必要な能力を見直すことができる上、助成金も支給されます。
①職業能力体系図だけでなく、評価対象になる従業員について個別票(職業能力評価項目)を作ります。
次に、②この制度を導入する計画書を労働局に提出して認定を受けます。
最後に、③この制度によって従業員の能力を評価し、結果をジョブカードに落とし込んでカードを従業員に渡します。
①従業員が仕事に必要な能力の自己評価を深めることで創意工夫するモチベーションを高めることができ、②客観化された評価制度によって人事評価を行うため、処遇を従業員が納得し仕事にやりがいを持たせることができます。
また、当然ながら助成金を受け取れば金銭的メリットもあります。
逆にデメリットとして挙げられるのは、教育訓練はOff-JTを行う必要があるためコストがかかることや、ジョブカードを導入するハードルがあることです。
しかし、そこさえクリアーすれば自社の人材を育成できるだけでなく、諸経費を除いても5万円〜50万円程度のキャッシュを手元に残すことができる取り組みであり活用しない手はありません。
東京労働局の情報では、この企業内人材育成推進助成金、3月末までは申請が受け付けられるようです。
この助成金には、他にもキャリア・コンサルティング制度や技能検定合格報奨金制度もありますので、会社のニーズに応じて活用を検討したいものです。